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意匠

スタートアップ

意匠事例に学ぶ② |バルミューダ ~デザインはなぜ事業価値になるのか~ 

徳山英浩

2026/8/25

この記事は、新商品や新サービスを開発している事業者の方に向けて書いています。

デザインが商品価値になるということ

家電製品は、性能や機能によって選ばれるものだと思われがちです。

もちろん、風量、消費電力、加熱性能、操作性などの機能は非常に重要です。

しかし、実際に商品を購入する場面では、それだけで決まるわけではありません。

部屋に置いたときにどのように見えるか。毎日使いたくなる形か。使うたびに心地よさを感じられるか。

こうした外観や使用時の印象も、商品の価値を大きく左右します。

バルミューダは、この点を考える上で参考になるブランドの一つです。

機能だけでは説明できない魅力

バルミューダの製品には、トースター、扇風機、空気清浄機、照明器具、調理家電などがあります。

これらの製品には、機能面での工夫だけでなく、製品全体として統一された独自の雰囲気があります。

過度な装飾を避けたシンプルな外観、使用場面を意識した操作部、部屋の中に置かれることを前提とした存在感などです。

消費者は単に「性能が高いから」ではなく、「この商品を使いたい」「この商品を部屋に置きたい」と感じて商品を選ぶことがあります。

ここに、デザインの大きな価値があります。

トースターでパンを焼くという行為自体は、他社製品でもできます。

それでもバルミューダ製品が選ばれるのは、単純な機能比較だけでは説明できない価値があるからではないでしょうか。

商品を使う時間の心地よさ、キッチンに置いたときの印象、使うたびに感じる期待感も、消費者にとっては商品価値の一部です。

デザインは模倣されやすい

機能的な特徴は、内部構造や制御方法などを含む場合があります。

一方で、商品の外観は、店頭、展示会、カタログ、ウェブサイト、SNSなどを通じて、誰もが目にできます。

そのため、特徴的なデザインは消費者に伝わりやすい反面、競合他社にも認識されやすく、模倣されるおそれがあります。

特に家電製品のように、外観が購入判断やブランドイメージに影響する商品では、意匠権による保護を検討する意味があります。

意匠権は、商品の外観を保護する制度です。

特徴的な全体形状だけでなく、操作部、表示部、持ち手、脚部、吹出口、部分的な形状などに特徴がある場合には、部分意匠を活用できる可能性もあります。

実際にバルミューダは、自社製品の関する意匠登録を行っています。デザインを商品価値の一部として捉え、権利化まで視野に入れる姿勢は、新商品開発において参考になるでしょう。

自社商品ならどう考えるべきか

バルミューダほど知名度のあるブランドでなくても、商品の外観が購入の決め手になる商品は少なくありません。

例えば、家電、家具、日用品、建築部材、工具、容器、アプリの画面デザインなどでは、外観が商品価値やブランドイメージに影響します。

技術的な工夫がある商品であっても、同時に外観に特徴がある場合があります。

そのようなときには、特許だけでなく、意匠による保護の可能性も検討すべきです。

また、商品名やロゴ、シリーズ名を継続的に使う場合には、商標も重要になります。

商品を守るという観点では、特許・意匠・商標を別々に考えるのではなく、それぞれをどのように組み合わせるかが大切です。

IPプラウドからの提言

バルミューダの事例から学べるのは、デザインは単なる見た目ではなく、商品の使われ方、ブランドの世界観、購入理由まで含めた事業価値になり得るということです。

新商品を開発する際には、技術だけでなく、その商品がどのように見え、どのように使われ、どのような印象を残すのかにも目を向けてみてください。

【初回相談は無料です】

新商品・新サービスの知的財産保護についてお考えの方は、お気軽にIPプラウド国際特許事務所までご相談ください。

商品やサービスの内容に応じて、特許・意匠・商標のどのような組み合わせが有効なのか、一緒に検討させていただきます。