意匠
スタートアップ
意匠事例に学ぶ④ |スターバックス ~店舗デザインはどこまでブランドになるのか~
徳山英浩
2026/8/25
この記事は、新商品や新サービスを開発している事業者の方に向けて書いています。
看板がなくても分かる店舗
街を歩いていて、店名やロゴを見なくても、
「これはスターバックスらしい店だ」
と感じたことはないでしょうか。
木や石などの素材感、落ち着いた照明、カウンターの配置、座席のつくり、店内に流れる空気感。
スターバックスの店舗には、コーヒーを提供する場所というだけではない、独自の世界観があります。
消費者が感じているのは、コーヒーの味だけではありません。
店舗に入ったときの印象、過ごす時間の心地よさ、その場所で得られる体験も、ブランド価値の一部になっています。
店舗デザインは事業価値になる
スターバックスは、立地や地域に合わせて、店舗ごとに異なるデザインを取り入れています。
観光地、郊外、公園、交通空間、書店併設、商業施設など、それぞれの場所に応じた店舗づくりを行っています。
例えば、歴史的な街並みの中に出店する店舗では、地域の建築や文化との調和を意識した外観・内装が採用されることがあります。
一方で、どの店舗にも、素材の使い方、照明、家具、カウンター、サインなどを通じて、スターバックスらしい体験がつくられています。
これは、店舗デザインが単なる装飾ではなく、顧客がそのブランドを選ぶ理由の一つになっていることを示しています。
商品そのものだけでなく、商品を提供する空間にも、事業上の大きな価値があります。

内装や建築物も意匠で守れる
以前の日本の意匠制度では、主に製品などのデザインが保護の対象でした。
しかし、2020年4月に施行された改正意匠法により、建築物の外観や内装のデザインも、一定の要件のもとで意匠登録の対象になりました。
例えば、店舗の内装について、壁、床、天井、照明、テーブル、椅子、陳列棚などが一体として統一的な美感を生み出している場合には、内装の意匠として保護できる可能性があります。
重要なのは、家具や照明器具を一つずつ守るだけではありません。
店舗全体として、どのような空間体験をつくっているのかという視点で、デザインを考えることです。
自社の店舗ならどう考えるべきか
店舗やショールーム、オフィス、宿泊施設、飲食店などを運営する事業者にとって、空間のデザインは顧客との接点になります。
特に、次のような要素は、ブランドイメージに影響することがあります。
店舗の外観
入口やファサードのデザイン
カウンターや陳列棚の配置
照明や色彩の使い方
家具や什器の組合せ
壁・床・天井を含めた内装全体の印象
こうした要素が組み合わさることで、「この店らしさ」が生まれます。
私は、新しい店舗やショールームを検討されている方には、店舗の外観や内装を完成・公開する前に、一度、意匠による保護の可能性を考えてみていただきたいと思っています。
基本的には、店舗の外観や内装を完成・公開する前に意匠出願を検討することが重要ですが、すでに公開している場合でも、公開時期や状況によっては対応できることがありますので、早めにご相談ください。
IPプラウドからの提言
スターバックスの事例から学べるのは、ブランドはロゴや商品名だけでつくられるものではないということです。
商品、サービス、店舗、空間、接客を通じて得られる体験のすべてが、ブランド価値につながります。
店舗や建築物に特徴的なデザインがある場合には、商標だけでなく、建築物意匠や内装意匠も含めて検討する価値があります。
【初回相談は無料です】
新店舗、ショールーム、オフィス、宿泊施設、飲食店などの知的財産保護についてお考えの方は、お気軽にIPプラウド国際特許事務所までご相談ください。
商品やサービスの内容に応じて、特許・意匠・商標のどのような組み合わせが有効なのか、一緒に検討させていただきます。